2024年2月13日、OpenAIからChatGPTの新機能として「メモリ機能」が発表されました。メモリ機能とは、ChatGPTが「過去全てのチャットの中で、重要と思われる内容を記憶」して、ユーザーに対して、「より関連性が高い回答」を提供する機能です。
メモリ機能の活用で、「長期的なプロジェクトの進捗管理」や「個人の好みに合わせた情報提供」など、さまざまなシーンでChatGPTをより効果的に使用することが可能になります。ChatGPTのメモリ機能を使って、あなたのChatGPTを成長させましょう!
ChatGPTメモリ機能の特徴
ChatGPTメモリ機能の特徴は、ユーザーとの対話をメモリに記憶し、好みや指示の傾向を学習することで、次の会話に反映させるところです。メモリ機能により、ChatGPTはより関連性の高い回答をします。ユーザーの意図しない回答を避け、よりユーザーが求める回答をします。
ChatGPTでは、これまではチャットを終了すると学習した内容がリセットされていましたが、メモリ機能ではチャットを消しても記憶した情報が残ります。よってユーザーは、新規チャットの度に繰り返し前提条件を与えるなどの必要が無くなります。
さらに、チャットの内容は30日で消去されますが、メモリに記録された内容は残り続けます。メモリは管理でき、不要またはプライバシーに関わる情報などは削除できます。
メモリ機能とカスタム命令の違いは?
ChatGPTには、メモリ機能とカスタム命令の二つの機能があります。表面的には似た機能ですが、実際には異なる目的と用途を持っています。以下でChatGPTのメモリ機能とカスタム命令の違いについて詳しく説明します。
メモリ機能
「メモリ機能」は、ChatGPTがユーザーとの会話を通じて情報を収集します。会話をしながら自動的に新しい情報が更新されていきます。ユーザーの趣味や好みなど、幅広く大量の情報を記憶し、よりユーザー好みのChatGPTへ成長していきます。例えば「夕食のレシピを考えて」と指示した場合、あなたが過去に「私はベジタリアンです」という会話をしていた場合、野菜を中心にした献立を提案してくれるでしょう。
カスタム命令
一方、「カスタム命令」は、ユーザーがChatGPTに手動で情報を入力します。またユーザーが情報を更新する必要があります。目的としては、限定的なタスクを実行させる機能として役立つでしょう。例えば、回答はステップ形式にする、特定の情報に基づいて回答する、常にメリット・デメリットを含めた回答をする などです。
ChatGPTメモリ機能の注意点
ChatGPTメモリ機能には、使用にあたっての注意点があります。まだテスト段階なので今後は改善されるかもしれませんが、以下にChatGPTメモリ機能の注意点を説明します。
記憶の正確性
ChatGPTメモリ機能により、ChatGPTは記憶した情報に依存して回答します。誤った情報を記憶すると、不適切な応答が行われる可能性があります。正確な会話を入力し、定期的に誤った記憶を削除することが重要です。
プライバシー管理
ChatGPTメモリ機能は各々のチャット情報をひとまとめに記憶するため、プライバシーに関わる情報は適切に管理しましょう。例えば会社で1つのアカウントを共有して使用している場合、自分のチャットで入力したプライベートな情報が、他のチャットに反映される可能性があります。不要な情報は、定期的に削除することをおすすめします。
ChatGPTのメモリ機能を利用する際には、これらの特徴と注意点を理解し、適切な管理を行うことで、より有益で安全なチャットが可能です。
ChatGPTメモリ機能の使い方
以下にChatGPTメモリ機能の使い方を紹介します。
ChatGPTメモリ機能の管理
ChatGPTメモリ機能によって記録された内容は、いつでも削除が可能です。管理画面から削除する方法と、チャットで忘れるように伝える方法があります。ただし、チャット自体を削除しても、メモリは消去されません。メモリそのものを削除する必要があります。
以下にメモリーを表示または削除する方法を紹介します。
ChatGPTメモリ機能を使わずに会話する方法
ChatGPTメモリ機能は、オフ設定が可能です。プライバシーの懸念や特定の会話のみを一時的に利用したい場合など、さまざまな理由でメモリ機能をオフにしたいと考える方もいるでしょう。以下にChatGPTのメモリ機能を使わずに会話を進める方法について説明します。
メモリを使用せずに会話したい場合は、一時チャットを使う方法もあります。一時的なチャットは履歴に表示されず、メモリも使用せず、モデルのトレーニングにも使用されません。
以下に、一時チャット機能の使い方を紹介します。
また会話の開始時に、ChatGPTにメモリ機能を使わないように指示することもできます。例えば、「この会話ではメモリ機能を使わないでください」というような明確な指示を出すことで、ChatGPTはそのセッション中に情報を保存しないようになります。
まとめ
ChatGPTに追加されたメモリ機能は、ユーザーの過去の会話を記憶し、よりパーソナライズされた対話体験を提供することを目的としています。この機能により、ChatGPTは時間の経過とともに一貫性があり、文脈が豊かな応答を提供できるようになります。ユーザーは、自分のプライバシーを管理し、不要または敏感な情報を削除することができます。しかし、記憶の正確性に依存するため、誤った情報を伝えると不適切な応答が行われる可能性があります。また、プライバシー管理の重要性が高まり、敏感な情報の取り扱いに注意が必要です。現在、この機能はテストフェーズにあり、一部のユーザーにのみ提供されています。将来的には、より広範囲のユーザーに展開されるでしょう。