OpenAI o1を徹底解説!ストロベリーモデルとは?

【OpenAIの次世代AIモデル「OpenAI o1」とは?ストロベリーモデルも徹底解説!】

本記事では、最新モデル「OpenAI o1」「OpenAI o1 Preview(プレビュー)」「OpenAI o1 mini(mini)」について解説します。「strawberry model(ストロベリーモデル)」を一部搭載し、従来のモデルよりも性能が飛躍的に進化しています。OpenAIの次世代AIモデル「GPT-NEXT」とも呼ばれており、AIの進化に興味がある方や、最新技術の動向を追いたい方には必見の内容となっています。

目次

OpenAI o1とは?

OpenAI o1とは、「推論する能力」に加えて「高度な問題解決能力」を備えているストロベリーモデルを一部搭載した、ChatGPTのモデルの1つです。従来のGPTモデルは、質問に対してテキストデータの中から、「最適な答えを確率的に選び出す能力」しか持っていませんでした。しかしOpenAI o1は、シンプルな質問に対する応答だけでなく、より複雑な課題に対しても論理的に解答を導き出せます。

OpenAI o1には、「ストロベリーモデル」と呼ばれる新しいAI技術を一部取り入れており、今後さらに「自立的なタスクの実行」を期待されています。現時点では、OpenAI o1は高度な問題解決に特化していますが、次世代のAIエージェントとしてもその可能性が広がりそうです。

OpenAI o1の特徴

OpenAI o1は、これまでのチャットGPTのように単語の予測だけでなく、より人間に近い「考える」プロセスを持つモデルです。既存のGPT-4は、ユーザーの入力に基づき、「確率論で次の単語を予測して出力」していましたが、OpenAI o1では「答えを導き出す前に考える」という能力が備わっています。これにより、複雑な問題解決にも対応できるようになりました。

OpenAI o1の主な特徴

  1. 論理的思考能力の向上
    OpenAI o1は博士号レベルの問題解決能力を持ち、物理学や生物学、科学分野でのテストでも人間を超える精度を発揮しています。これほどの論理的思考力は、ビジネスや研究など、あらゆる分野で応用できるでしょう。
  2. 連鎖的な思考プロセス
    OpenAI o1は、問題を解決するためにチェーン・オブ・ソート(思考の連鎖)を取り入れています。難しい課題に直面すると、単純なステップに分解して考え、それに基づいて最適な解答を導き出します。このプロセスの可視化により、AIがどのように結論に至ったのかを容易に理解できる点も大きな魅力です。
  3. 効率的な強化学習プロセス
    OpenAI o1は自ら学習をして、効率的に性能を向上させていきます。従来のモデルが大量のデータを使って学習していたのに対し、OpenAI o1は問題やタスクを与えられることで自律的に学び、そのプロセスを繰り返すことでどんどん賢くなっていきます。この学習のスピードと効率の高さは、今後のAIの進化にとって非常に重要でしょう。

また、国際数学オリンピックの試験では、正解率83%(従来モデルは13%)。コーディング試験「Codeforces」では、得点率が89%と、性能が飛躍的に向上しています。

OpenAI o1 Previewの主な特徴:より高度な推論能力を備えたプレビュー版モデル

「O1-Preview」は、最新の「O1モデル」の早期プレビューバージョンであり、特に難解な問題に対する推論能力を大きく向上させています。このモデルの最大の特徴は、世界に関する広範な一般知識を活用して、複雑な問題に対しても論理的な解決策を提示できることです。

例えば、ビジネスの課題や戦略立案においては、多様な要素を考慮した推論が求められます。O1-Previewは、その広範な知識を駆使して、複数の視点から問題を捉え、最適な解決策を提案してくれます。特に、以下のようなシーンで活用が期待できます。

  • 高度な問題解決: 経済、政治、歴史、技術など多岐にわたる分野の知識を必要とする課題
  • ビジネス戦略策定: 様々なデータや要因を統合し、最適なビジネス戦略を考える
  • 複雑な推論タスク: 多数の要素を考慮して結論に導く思考プロセスが必要な場面

このような高レベルの推論を要求されるタスクでは、O1-Previewの真価が発揮されます。従来のAIモデルと比較しても、その思考プロセスの透明性と論理性は一線を画しており、ユーザーがどのように結論に至ったかを理解しやすいのも大きな魅力です。

OpenAI o1 miniの主な特徴:高速かつ経済的な万能モデル

「OpenAI-Mini」は、O1モデルの高速で経済的なバージョンです。OpenAI o1-Previewに比べて動作が軽く、リソースを節約しながらも、特定の分野では非常に優れたパフォーマンスを発揮します。このモデルは、広範な一般知識を必要としないタスクに特化しており、特にコーディング、数学、科学といった技術的な問題解決に強みを持っています。

O1-Miniの特徴的な使用シーンは以下の通りです。

  • プログラミング支援: コーディングに関する具体的な問題解決やコードの生成、バグ修正などのタスクを迅速に処理
  • 数学的な計算: 複雑な数式や方程式の解法、論理的なステップを必要とする数学的課題の解決
  • 科学的な問題解決: 化学や物理学のシミュレーション、論理的な問題の解決など、技術的な知識を必要とする分野での活躍

O1-Miniは、軽量で迅速に動作するため、日常的なタスクにおいて特に便利です。時間やコストを抑えつつ、精度の高い解決策を提供してくれるため、開発者や研究者にとっては頼もしいツールとなるでしょう。

どちらを選ぶべきか?

O1-PreviewとO1-Miniの選択は、ユーザーのニーズに応じて決まります。広範な知識を要し、複雑な問題解決やビジネス戦略の立案が求められる場面では「O1-Preview」が適しています。
一方で、コーディングや数学、科学的な技術課題に迅速に対応したい場合には、より軽量でコストパフォーマンスに優れた「O1-Mini」が最適です。

両者ともに、AI技術の最前線を走る優れたモデルであり、それぞれの強みを活かすことで、あらゆる課題に対応できるようになります。

    OpenAI o1の使い方

    OpenAI o1は、従来のGPT-4モデルと比べ、より高度な論理的思考能力を持っています。従来のトークンベースの予測に加え、OpenAI o1は複雑な問題を連鎖的に思考し、段階的に解答を導き出すことが可能です。これにより、ビジネス戦略や科学的な問題解決において、より精度の高い答えを提供します。

    1. アカウント作成とログイン
      まず、OpenAIの公式サイトからアカウントを作成し、ログインします。既にアカウントを持っている方は、そのまま進めてください。
    2. モデルの選択
      OpenAI o1を使うには、パソコンやスマホのブラウザや、API経由でモデルを選択します。ChatGPT Plusのプランに加入している場合、モデル選択画面で「OpenAI o1 Preview」や「OpenAI o1 mini」が表示されているので、そこから選びます。
    3. プロンプトの入力
      OpenAI o1モデルを選んだら、プロンプト(チャット文)を入力してAIに指示を出します。OpenAI o1は他のモデルよりも複雑なタスクにも対応可能なので、例えば「ビジネスプランを作成して」といった高度な指示でも適切な回答を得られます。
    4. 思考プロセスの確認
      OpenAI o1は段階的に思考を進めるため、答えを出すまでのプロセスを確認できます。具体的にどのように答えが導き出されたのかを確認したい場合、「思考プロセスを表示」といったオプションを利用できます。

    OpenAI O1の料金

    OpenAI o1を利用するには、基本的にChatGPT Plusプランへの加入が必要です。現在、料金体系は以下の通りです。

    ChatGPT Plusの料金

    • 月額料金:20ドル(約3,000円)
      ChatGPT Plusに加入すると、OpenAI o1モデルを使用することができ、さらにモデルのプレビュー版(OpenAI o1 PreviewやOpenAI o1 Mini)も利用可能です。

    OpenAI o1の利用回数制限

    OpenAI o1モデルは非常に高度な計算能力を持つため、現段階では利用回数に制限があります。

    • OpenAI o1 Preview:週に30メッセージ
    • OpenAI o1 Mini:週に50メッセージ

    この制限は今後緩和される可能性がありますが、現時点では上記の範囲で使用することが求められます。

    高度なAPI利用の場合

    ビジネスや開発者向けには、APIの利用が可能です。APIを利用した場合の料金は利用量に応じて変動しますが、これについては次の項目で詳しく説明します。

    OpenAI o1のAPIの使い方

    OpenAI o1のAPIを利用することで、独自のアプリケーションやシステムにOpenAI o1の機能を統合することができます。特に開発者や企業にとっては、APIを活用することで高度なAI機能を自社のプロダクトに組み込むことができ、大きなメリットがあります。

    APIの利用方法

    1. APIキーの取得
      まず、OpenAIのアカウントにログインし、ダッシュボードからAPIキーを取得します。APIキーはセキュリティ上非常に重要なので、慎重に管理してください。
    2. APIリクエストの構築
      APIキーを取得したら、リクエストを送信するためにコードを作成します。ChatGPTにプログラミングコードの書き方を聞くことでも、作成することが出来ます。
    3. レスポンスの確認
      APIから返ってきたレスポンスには、指定したタスクに対する回答が含まれます。これをアプリケーション側で処理し、必要に応じて表示や分析に活用しましょう。

    API料金体系

    APIの料金は、使用したトークン数に基づいて計算されます。OpenAI o1モデルは非常に高性能であるため、料金が他のモデルよりもやや高めに設定されています。

    ■モデル価格
    ・OpenAI o1プレビュー$15.00 / 100万入力トークン$60.00 / 100万出力トークン
    ・OpenAI o1-ミニ   $ 3.00 / 100万入力トークン$12.00 / 100万出力トークン

    この料金は利用するタスクの内容や出力の長さに応じて変動するため、特に大規模なプロジェクトでAPIを使用する場合は、しっかりとコスト管理を行うことが重要です。

    OpenAI o1とGPT-4との違い

    大きな違いは、思考の可視化です。OpenAI o1は人間のように段階的に思考し、その過程を明示します。これに対して、GPT-4はアウトプットを一気に出力するため、思考過程がブラックボックス化されていました。OpenAI o1では、どのようにその結論に至ったのかが可視化されるため、特にビジネスの現場で有効に活用できるでしょう。

    もしOpenAI o1とGPT-4の違いを一言で表すならば、「考えるAI」と「予測するAI」という点にあります。GPT-4はトークンベースで「次の単語を予測」し、スピーディーにアウトプットを生成しますが、OpenAI o1はまず「考える」プロセスを取り入れており、その過程が可視化されています。

    この可視化された思考プロセスによって、AIがどのように結論に至ったのかを確認できるため、OpenAI o1は論理的な推論が必要なタスクに非常に強力です。例えば、複雑なビジネス戦略の策定や科学的な問題解決など、段階的に結論を導きたい場合にはOpenAI o1が圧倒的なパフォーマンスを発揮します。

    OpenAI o1の強みと活用方法

    OpenAI o1は「高度な問題解決能力」と「連鎖的思考プロセス」が特徴です。難しい課題や複雑なタスクに対しても、段階的に答えを導き出すため、より精度の高い結果を得られます。また、単純な問いに対する素早い回答が求められる場面では、依然としてGPT-4oが有利ですが、OpenAI o1は深い思考や議論を必要とする場面で真価を発揮します。

    ■例
     ・アメリカの16代目大統領を教えてください(答えが決まっている単純な質問)。 ⇒ GPT-4oが有利。
     ・海外のコーヒーチェーン店の参入により、衰退する日本の喫茶店を持ち直す方法を教えてください(答えが決まっていない、複雑な質問)。 ⇒ OpenAI o1が有利。

    実際にOpenAI o1を使ってみた感想

    実際にOpenAI o1とGPT-4を比較してみたところ、その違いは明確でした。例えば、特定の問題に対する思考プロセスを見せるタスクでは、GPT-4が迅速にアウトプットを出したのに対し、OpenAI o1は時間をかけて考え、論理的な段階を踏んで解答を導き出しました。

    また、フェルミ推定のような論理的思考を試す問題では、OpenAI o1はどのように数値を推定したのか、その過程を明確に説明しました。これにより、単なる答えではなく、その理由や根拠を示してくれるため、ビジネスや戦略設計において非常に有用です。

    ストロベリーモデルの背景

    ストロベリーという名前は、少しユニークです。実はこれは、OpenAI内部で使用されているコードネームで、最新のAI技術が盛り込まれたモデルを指します。このモデルは、現在のGPT-4やGPT-4.0では達成できなかった、より高度な人間のような思考プロセスを目指しています。

    ストロベリーモデルの特徴として、以下の3つが注目されています。

    1. 長期的な思考プロセス
      人間のように長期的な計画を立案し、それを実行に移す能力が備わっています。これまでのAIは単発的な問題解決に優れていましたが、ストロベリーはそれを超え、複雑な問題解決や推論を行える点が特徴です。
    2. 複雑な問題解決能力
      AIが問題を細かく因数分解し、段階的に解決する「ツリーオブソート」という手法を採用しています。これにより、時間はかかるものの、より精度の高い解決策を提示します。
    3. 合成データ生成
      ストロベリーは、既存の公開データだけではなく、アルゴリズムを使って高品質な合成データを生成します。これにより、より深い学習と訓練が可能になります。

    ストロベリーとOpenAI o1の関係性

    ストロベリーとOpenAI o1はどういう関係があるのでしょうか?

    簡単に説明すると、ストロベリーが生成したデータを学習したAIモデル(LLM)がOpenAI o1です。これにより、オリオンは他のモデルと比べても大幅に高性能で、学習データが尽きることがありません。

    従来のAIモデルは主に公開データを使用していましたが、オリオンはストロベリーによって作られた合成データを利用することで、より優れた問題解決能力を発揮します。

    GPT-NEXT(GPT-5)の特徴と期待

    OpenAI o1は、「GPT-NEXT」、または「GPT-5」と呼ばれていました。
    OpenAIのCEOは、2024年中にこのGPT-NEXTがリリースされることを発表。このモデルは、現在のGPT-4.0から100倍の進化を遂げると言われています。この大幅な進化が何を意味するか、以下の点に注目が集まります。

    • 長期的な思考能力の向上
      GPT-NEXTは、複雑な問題を解決する能力を強化するだけでなく、長期的な戦略を自ら考え、実行できるAIエージェントとしての機能が期待されています。
    • 精度の向上
      現在のAIの課題である「ハルシネーション(誤った情報の生成)」も大幅に改善される見込みです。特に事実に基づいた回答や論理的な推論を必要とするタスクでの精度が向上します。
    • AIエージェント機能
      自立的にタスクを実行できるAIエージェント機能も搭載されるかもしれません。この機能が実現すれば、AIが単に情報を提供するだけでなく、計画の立案や実行までサポートすることが可能となります。

    今後の展開予想

    今後、AI業界はさらに競争が激化していくと予想されます。GoogleのGeminiや、AnthropicのClaudeといったライバルも急速に進化しています。そのため、OpenAIがリリースするGPT-NEXTやOpenAI o1は、他社を圧倒する性能を持つ可能性が高いです。

    また、料金体系の変更も予想されます。高性能なAIモデルの使用料が現在よりも高額になるかもしれませんが、企業にとってはその価値を十分に感じられるでしょう。

    さらに、OpenAIは新たな資金調達を検討しているとも言われており、AppleやNVIDIAなどの大手企業が投資を検討しているという噂もあります。これにより、さらなる進化が期待されます。

    結論次世代AIモデル「ストロベリー」「OpenAI o1」、そして「GPT-NEXT」は、私たちの生活やビジネスに大きな影響を与えることが予想されます。AI技術の進化は加速しており、これからの動向に注目しておく必要があります。
    今後のAIの進化に注目して、最新情報をキャッチアップしていきましょう。

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